

2025.11.01
待ちに待った 廃プラスチック破砕機 が導入されました!
なぜ自動車リサイクル業にプラスチック破砕機が必要なのか?
EU欧州委員会は2023年7月、既存の「ELV指令」を強化する新たな「ELV規則案」を発表しました。
この規則案は現在も欧州議会およびEU理事会で審議中ですが、地球温暖化防止や循環型経済への転換を加速させる厳しい内容です。
では「ELV規則案」と、近松商会の破砕機導入にはどんな関係があるのでしょうか。
📋 背景と規制動向
✓ 2031年頃を目途に、欧州では使用済み自動車(ELV)リサイクル規則が強化される見込み。
✓ 欧州議会は、リサイクル材使用拡大を盛り込んだ改訂案を承認。
✓ 初期案:再生プラスチック使用25%、リサイクル含有25% → 6.25%を廃車由来プラに。
✓ 改訂後:再生プラスチック20%、リサイクル含有15% → 3%を廃車由来プラに。
✓ 2031年以降、欧州で新車販売するには3%以上の自動車由来再生樹脂が必須。
✓ 日本でも再生プラスチック利用推進が活発化。
環境省資料はこちら
✓ メーカー各社は廃プラスチック回収体制を構築中で、弊社もテスト参加中。
これまで廃プラスチックの本格回収は進んでいませんでした。その理由は、嵩が大きく輸送効率が悪く、採算が取れなかったためです。
未回収の廃プラは、他素材と混在した状態でAP(オートモービルプレス)として出荷されます。
📋 リサイクルの現状
✓ APの出荷先は「シュレッダー向け」と「認定全部利用向け」。
✓ シュレッダー後の廃プラはASRとして燃料化または埋立。
✓ 認定全部利用では、分解時にプラスチックを効率的に分別可能。
✓ 全国で4,915事業所中、実働3,273。岐阜県87事業所で弊社シェア約7.1%。
✓ 自動車重量の約10%が樹脂部品で、主にバンパー(10~15kg)。
✓ ターゲット素材はPP(ポリプロピレン)。PP-T、PP-TDなど複合材が多く使用。
✓ PPは熱可塑性素材で、異物混入防止が品質確保の鍵となります。
導入したのは プッシャー式大型破砕機「ドラゴンシュレッド DS4080」 です。
37KVAの破砕軸と3.7KVAの油圧プッシャーにより、大型バンパーも素早く粉砕可能。
最大の特徴は、消耗部である「回転刃」と「固定刃」を個別交換できる点。
メンテナンスコストを抑え、長期稼働に優れます。
また、海外製ながら商研株式会社による国内サポート体制が整っており、全国の主要都市で迅速な対応が可能です。
自動車リサイクルの形は、時代とともに進化しています。
30年前はハイブリッド車もEVもなく、リサイクルといえば鉄・アルミの分別程度でした。
1977年創業の近松商会は、リサイクル技術を磨くことで成長してきました。
今回の廃プラ破砕機導入は、その技術を次のステージへ進化させる一歩です。
💡 これからも環境負荷を減らし、資源を最大限に活かす
持続可能な自動車リサイクルの実現を目指します。
以上